合同会社設立準備時の注意事項 -バーチャルオフィス-

公開日: : 最終更新日:2015/05/12 合同会社運営の知識

合同会社を設立するメリットとして、初期費用を抑えられる点がありますが、設立準備を間違えると結果的に余計な費用がかさんでしまうことがあります。今回は、設立準備の際に注意したい事項の1つ、バーチャルオフィスの利用についてみてみましょう。

バーチャルオフィスとは、本店所在地の住所や電話番号、FAX番号のみをレンタルできるサービスです。オプションで郵便物の受け取り・転送や電話秘書業務を委託したり、面談スペースを利用することもできます。

起業段階では店舗やオフィスがなくてもできる業種、たとえばwebサイトの運営やコンサルタントなどの場合は、初期費用を抑えるためにもバーチャルオフィスの利用を検討することがあります。バーチャルオフィス利用時のメリットとデメリットは以下のとおりです。

 

メリット

初期費用が安い

通常の賃貸物件を借りる場合、敷金、礼金、前払い家賃等数十万円の初期費用がかかりますが、バーチャルオフィスの利用では数万円ですみます。

自宅住所での登記を避けられる

ワークスペースが特に必要ない場合、自宅住所で登記することができますが、自宅が分譲や賃貸マンションの場合、契約で住所の事業利用や郵便受けへの会社名の表示が禁止されていることがあります。また、重要な個人情報である自宅住所の公開を避けたい場合にも、バーチャルオフィスの利用が便利です。

各地で拠点をもつことができる

出張や営業回りが多い起業家の場合、多店舗展開をしているバーチャルオフィス会社を利用することで、円滑にビジネスを行うことができます。

 

デメリット

法人銀行口座の開設が困難

バーチャルオフィスを利用した詐欺グループ対策のため、法人銀行口座の開設ができない場合が多いです。法人口座がないと取引ができない場合があるため、起業後の事業展開を考えると非常に大きなデメリットになります設立時にバーチャルオフィスで本店登記してしまい、口座開設ができずにすぐに登記変更が必要になり、余計な時間とコストがかかるケースがあります。本店を移転する場合、最寄りの法務局で本店移転登記をしますが、同一管内の場合は3万円、別管内では6万円の登録免許税がかかりますので、注意が必要です。

社会保険や雇用保険の申請が困難

事業実態が疑われてしまい、新規の申請が断られてしまうことがあります。

許認可の取得ができない場合がある

たとえば、有料職業紹介などの人材業では、バーチャルオフィスを利用しての起業・独立は要件を満たさない可能性があるので、事前の確認が不可欠です。

創業融資が受けられない

バーチャルオフィスを利用することで自治体内に事業の実態がないとみなされる場合があります。

バーチャルオフィスであることが判明した場合に信用が低下する

住所を検索すると複数の企業がヒットしてしまい、バーチャルオフィスであることがわかってしまう可能性があります。また、都心の一等地での登記だと、逆に怪しいと警戒されることもあります。

・オプションコストや契約内容によっては余計にコストがかかる

面談スペースは1時間あたり2,000円~1万円程度のオプション料金が発生するため、頻繁に利用すると基本料金と合わせて通常の賃貸物件の家賃よりも上回ってしまう可能性があります。また、1年以内に解約した場合、残りの賃料を全額払わなければならないという契約内容になっていることもあるため注意が必要です。

 

このように、バーチャルオフィスの利用には大きなデメリットがあるため、初期費用を抑えようとしてとりあえず契約するというようなことはせず、中長期的にご自身の事業展開に合っているかしっかりと検討したうえで利用しましょう。

なお、バーチャルオフィスを本店登記に利用する場合、税務申告上、本店は名目だけで実際に営業活動を行っていない旨の届出を都道府県や市区町村に行えば、本店に対する均等割は課税されません。

均等割は、何らかの人的、物的設備があり、実態を伴っている営業所が所在する都道府県・市区町村ごとに課税されるため、税務申告書や異動届の備考欄などに名目上の本店である旨を記載しておきましょう。また、名目本店申立書http://www.nishi.or.jp/contents/0000747900060001200142.html というものもありますので、こちらを利用してもよいかと思います。均等割(県税・市税)は会社が赤字であっても払わなければならず、少なくとも7万円程度毎年かかってきますので、バーチャルオフィスのみならず、自宅を名目上の本店とする場合にも注意しましょう。

 

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