合同会社の設立や定款に関する法務上のポイント 

公開日: : 最終更新日:2015/05/20 合同会社の法務

今回は合同会社の設立に関する法務上のポイントをご説明します。

 

合同会社の設立手順

社員、事業目的、商号、本店所在地、出資財産とその価額を決定する

        ↓

代表者の印鑑の準備、印鑑証明書の入手

        ↓

定款の作成

        ↓

金銭等の払い込み

(代表者個人の口座を開設し各社員が口座に振込、払込があったことを証する書面を作成し、通帳コピーを登記申請書に添付する)

        ↓

法務局に対して設立登記申請

         ↓約1週間

合同会社の設立

        ↓

税務署、都道府県、年金事務所等への届出

 

合同会社を設立する際には、社員になろうとするメンバーが定款を作成し、その全員がこれに署名または記名押印する必要があります(会社法575条1項)。では、会社の根本規則である定款には具体的にどのような事項を記載するのでしょうか。定款の記載事項には、①絶対的記載事項、②相対的記載事項、③任意的記載事項があります。

①絶対的記載事項

合同会社の定款には下記の事項を必ず記載しなければならず、1つでも欠くと定款が無効になりますので注意しましょう。

・目的

・商号

・本店の所在地

・社員の氏名または名称および住所

・社員の全部を有限責任社員とする旨

・社員の出資の目的(金銭又は現物資産のみ、労務出資・信用出資は不可)およびその価額または評価の基準

 

②相対的記載事項

記載がなくても定款自体は無効になりませんが、定款に記載しなければその効力を生じない事項を相対的記載事項といいます。

・社員の持分譲渡に関して、原則他の社員全員の承諾がなければ譲渡することができないが、定款で異なる定めをすることができる(会社法585条4項)

たとえば、業務執行社員が決定するものとすることや、一定の場合には承諾を要しないとすることなどが考えられます。

・各社員が業務執行権を持ち、社員が2人以上の場合は、業務執行に関する意思決定はその過半数をもって決定するとされているが、定款で異なる定めをすることができる(会社法590条1,2項)

・業務を執行する社員を定款で定めた場合でそれが2人以上いるときは、業務を執行する社員の過半数をもって決定するのが原則であるが、定款で異なる定めをすることができる(会社法591条1項)

 たとえば、社員の全員の一致で行うものとする、特定の社員の決定によるものとすることなどが考えられます。

・業務執行社員は会社に対して競業避止義務を負い、利益相反取引に関する規制を受けるが、定款で異なる定めをすることができる(会社法594条1項、595条1項)

・業務を執行する社員は合同会社を代表するが、定款の定めにより、他に合同会社を代表する社員その他合同会社を代表する者を定めることができる(599条1項)

・合同会社の存続期間を定款で定めなかった場合等には、各社員は事業年度の終了の時において退社することができ、この場合各社員は6か月前までに合同会社に退社の予告をしなければならないとされているが、定款で異なる定めをすることができる(会社法606条2項)

・損益の分配、利益の配当、出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる(会社法621条2項、622条1項、624条2項)

・その社員が死亡した場合または合併により消滅した場合の当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる(会社法608条1項)

・合同会社の定款は本来総社員の同意によって変更できるが、定款で異なる定めをすることができる(会社法637条)

・合同会社は、定款で定めた存続期間の満了または定款で定めた解散の事由の発生により解散することを定めることができる(会社法641条1項)

 

③任意的記載事項

その他、会社法または公序良俗に反しない限り、一定の事項を記載することが認められています。 定款に記載することにより、明瞭性が高まり、また、その変更のために定款変更の手続きが必要になります。たとえば、公告の方法、事業年度の取り扱い、社員総会に関する事項などがあります。

相対的記載事項、任意的記載事項を会社の実情に合わせて上手に記載して定款を作成することが、定款作成上重要なポイントになります。

 

その他、合同会社の設立等に関するルールの主なポイントは下記のとおりです。

・定款は株式会社と異なり、公証人の認証手続きは不要(安く簡単に設立できる)

・定款は書面でも電磁的記録でもOK(電磁的記録の場合は電子署名が必要)

・社員が1名でもOK(米国のLLCも同じ)

法人も社員となることができ、その場合は法人は個人を職務執行者として選任し、他の社員に通知しなければならない

・法人が選任する職務執行者はその法人の役員または従業員以外でもOK

・社員となる法人は、会社以外の法人(組合、中間法人等)もOK

・出資の際に株式会社と異なり、金銭を払込取扱機関(銀行等金融機関)に対して払込必要がなく、現物出資の場合に検査役調査が不要

・合同会社成立後、設立無効を主張するためには、成立の日から2年以内に会社の社員または清算人の訴えによらなければならない

・合同会社の社員が無限責任社員であると誤認される行為をした場合またはその商号を合名会社と偽った場合には誤認させた責任の範囲内で合同会社の債務を弁済する責任を負う(有限責任社員にもかかわらず)

・社員でないものが社員であると偽った場合にも、その誤認させた責任の範囲内で合同会社の政務を弁済する責任を負う

合同会社は定款自治が広く認められているため、設立の際にしっかりと定款を作成することで、その後社員間で争いが生じた場合等に適切に対応することができます。合同会社設立の際には、定款の内容に関して専門家に相談することをお勧めします。

 

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公認会計士・税理士 小西慎太郎
福岡県福岡市中央区大手門1丁目8番8号ベイサージュ大手門402
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