合同会社の会計上のポイント(帳簿の保存期間・資本金の計上額など)

公開日: : 最終更新日:2015/05/20 合同会社の会計

合同会社は会計や税務ではどのように取り扱われるのでしょうか。合同会社を運営するために必ず知っておくべき情報として、今回は会計上の合同会社の取り扱いのポイントを簡単にご紹介しましょう。

 

■会計帳簿の作成・保存

合同会社は適時に正確な会計帳簿を作成する必要があり、10年間会計帳簿および重要な資料を保存しなければなりません(会社法615条)。

なぜ10年間も、と思う方もいるかと思いますが、後日の紛争に備えて事実関係や法律関係等を証明するために必要とされています。場合によっては、裁判所が会計帳簿を提出するように命令することもあります(会社法616条)。なお、重要な資料とは、契約書、発注書、受注書、請求書、領収書、通帳等を指すと考えられています。

 

■計算書類の作成・保存

合同会社は、設立を登記した日における貸借対照表を作成し、さらに各事業年度に係る計算書類を作成しなければなりません(会社法617条)。計算書類とは、貸借対照表、損益計算書、社員資本等変動計算書および個別注記表をいいます(会社計算規則71条1項2号)。

合名・合資会社は無限責任社員が存在するため貸借対照表のみの義務付けであるのに対して、合同会社は間接有限責任であるため、会社債権者保護の観点から株式会社に準じた取扱いになっています。

計算書類も会計帳簿と同様10年間の保存が義務づけられていますが(会社法617条4項)、株式会社と異なり合同会社では決算公告は義務づけられていません。

計算書類の作成方法は、株式会社と実質同じですが、下記異なる点をいくつか挙げておきます。

・合同会社は自己の持分の取得はできないとされているため、貸借対照表上自己持分(株式会社でいう自己株式)の表示はない

・合同会社には資本準備金および利益準備金の制度がないため、貸借対照表上それらの表示はない

・個別注記表に関する会社計算規則の規定19項目のうち合同会社など持分会社に適用される項目は限られており、以下が注記事項とされている

重要な会計方針に係る事項に関する注記 ←通常これのみ

会計方針の変更に関する注記

表示方法の変更に関する注記

誤謬の訂正に関する注記

その他の注記

また、作成された計算書類の社員の閲覧権限に関しては、定款によってある程度制限することができますが、事業年度の終了時に請求をすることは制限することができません。そして、会社債権者にも社員と同様の計算書類の閲覧権限があります。

 

■資本金

合同会社では、出資に関して株式会社のように、払込資本の額の2分の1を超えない額を資本準備金とすることができるという規定(会社法455条2項)が置かれていないため、資本金の額を自由に定めることができます。出資額のうち資本金に計上されなかった額は資本剰余金となります。たとえば、500万円出資して、全額を資本剰余金とすることもできます。

これをうまく使えば、多額の出資や増資を行うときに登録免許税を回避できることになります つまり、増資の場合の最低額3万円の登録免許税は必要になりますが、登録免許税(増資額の0.7%)の負担は回避可能です。なお、合同会社において資本金の額を減少する場合、株式会社と同様に債権者保護手続きが必要になります。

 

■利益の配当(会社法621条)

合同会社では、利益の配当をする時期、回数、配当する財産の種類などは総社員の同意により定款で自由に定めることができます。つまり、出資の金額に基づかずに利益を配当することも社員どうしで柔軟に取り決めることができます。また、事業年度終了後に新たに社員になった者に対しても利益の配当をする旨を定款に定めることもできます。

利益配当請求権の確定時期に関しては、株式会社では株主総会決議後であるのに対して、合同会社では個々の社員が請求した時点で具体的な権利として確定します。合同会社を投資ファンドなどで活用する場合には、いつでも社員が利益の配当を請求できるとすると投資ファンドの運営が困難になるおそれがあるため、社員の過半数の決定により効力発生日を定める旨を定款に規定することなどにより、利益の配当の請求時期を制限したりします。

 

■損益の分配(会社法622条)

損益の分配とは、合同会社の事業活動により稼得した利益または損失を各社員にどのような割合で割り当てるかということであり、現実に利益を社員に分配することを意味するわけではありません。つまり、発生した損益を利益剰余金の増減として認識したまま、社員の持分が増減し、社員の退社もしくは会社の清算のときに損益は現実化します。

損益分配や利益分配については、定款に定めがない場合には各社員の出資の価額に応じて定めます。また、損益分配と利益配当の割合を別々に定款で定めることは可能ですが、一方についてのみ定めた場合には、その割合は利益および損失の分配に共通であるものと推定されるので注意が必要です。また、一部の社員が損失の分配を受けない旨の定款の定めを有効とする判例はありますが、学説上では営利法人の本質に反することから認められないと考えられています。

 

■出資の払戻し

合同会社の社員は間接有限責任しか負わないため、債権者保護の観点から、定款に定めた出資の価額と社員が履行した出資の価額を常に一致させなければなりません。したがって、出資の払戻しの際には定款の変更が義務付けられています。

なお、会計上は、まず出資の払戻しをする社員につき計上されている資本剰余金を減少させて、それを超えた額がある場合には、それについて公告等債権者保護手続きを経たうえで資本金の額を減少させます。

 

以上、会計上の合同会社の取り扱いのポイントを簡単にご説明しました。次回は、税務上のポイントをご説明しようと思います。

 

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