合同会社のマル秘活用方法 - 不動産の証券化 その3 

公開日: : 最終更新日:2015/05/20 合同会社の活用方法

今回は、不動産証券化における会計上の留意点についてご説明します。

前2回でご紹介したスキームが成立するためには、会計上、特に以下3点に留意する必要があります。

①譲渡取引として認められるか否か

②連結対象とならないか否か

③リースバックの場合に金融取引に該当しないか否か

 

まず、①譲渡取引として認められるか否かについてみてみましょう。

資産の原保有者が自らが関与して組成したSPCに資産を譲渡する場合、譲渡した資産に対する関与度合いにより、会計上売買処理が認められず、オフバランスができない場合があります。

これに関しては、平成12年7月の会計制度委員会報告第15号「特別目的会社を活用した不動産の流動化にかかる譲渡人の会計処理に関する実務指針」および平成13年5月の「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針についてのQ&A」に、特定目的会社等を対象とした判断基準が定められています。実務指針3項、6項によると、リスクと経済価値のほとんどすべてが他の者に移転した場合に不動産の売却を認識するリスク・経済価値アプローチによって判断することが妥当とされており、スキーム全体の構成内容等を踏まえて実質的な判断を行うこととされています。そして、不動産の譲渡後において譲渡人が当該不動産に継続的に関与している場合にはリスクと経済価値が移転していない可能性があるとし、その判断のための参考資料として、下記のフローチャートが用意されていますので、「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」の改正に係る公開草案より引用します。

不動産の証券化その3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次は、②連結対象とならないか否か、についてみてみましょう。

①をクリアして売却処理が認められた場合でも、譲渡先のSPCが連結会計の対象となると連結ベースでのオフバランスができなくなってしまいます。連結上のSPCの取り扱いについては、財務諸表等規則第8条第7甲および連結財務諸表に関する会計基準7-2において、

A:資産を適正な価額で譲り受けたこと

B:譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立されており、当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されていること

の2要件を満たす場合には、SPCは不動産を譲渡した会社等から独立しており、譲渡会社等の子会社に該当しないものと推定するとされています。

 

最後に、③リースバックの場合に金融取引に該当しないか否か、についてみてみましょう。

リースバック取引とは、たとえば、自社ビルを原保有者のSPCに譲渡し、それを借り受けるような取引をいいます。このような場合に、ファイナンスリース取引に該当して金融取引と判定されると、オフバランスができなくなるため、オペレーティングリース取引に該当するように留意する必要があります。

リース取引に関する会計基準5によると、ファイナンスリース取引の要件は以下のとおりです。

A: リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引またはこれに準ずるリース取引であること

B: 借り手が、リース物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなること

 

不動産の証券化においては、特に上記3点に留意する必要があります。合同会社を利用した不動産の証券化を検討されている場合は、お気軽に弊所にご相談ください。

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