インドで法人設立

公開日: : 海外進出

インドは日本の約9倍の大きさで、12億人の国民がいます。いわゆる「発展途上国」でありながら、物価調整後の購買力平価ベースGDPアメリカ、中国に次いで第3位潜在的巨大消費市場です。インド経済の健全化に大きく貢献してきたインド準備銀行のラジャン総裁が9月に退任することになり今後の先行きに不安はあるものの、これからの海外進出先として注目する企業も少なくありません。今回は、インドでの法人設立について、簡単にご説明します。

外資のインド進出の形態はいくつかありますが、日系企業の場合、現地法人、駐在員事務所、支店のいずれかの場合が多いです。

■現地法人

個人責任の範囲により、株式有限会社(Company Limited by shares)、保証有限会社(Company Limited by Guarantee)、無限責任会社(Unlimited Company)の3種類に分類されます。非公開会社の場合、最低資本金は10万ルピー、発起人は原則2名以上必要になります。インド国民と居住者は2013年の会社法改正により株主1人の会社が作れるようになりましたが、外資の場合は、単独株主で登記ができません。また、この改正により、最低1名の居住取締役(年間182日以上インド滞在)が全ての法人に義務づけられました。なお、法人税は原則内国会社法人税30%×加算税5%×教育目的税3%=32.445%かかります。ちなみに、現地法人の場合、土地の取得や現地法人の買収が可能です。

子会社を設立する場合は、インドの子会社が「みなし公開会社」とされる場合があることに注意が必要です。子会社が非公開会社でも、親会社である日系企業が「インド会社法に照らして」公開会社にあたる場合、子会社も公開会社とみなされてインド会社法上のコンプライアンスが求められます。日系企業の定款がインド会社法上の非公開企業となる要件を満たしていることは少ないため、実務上は、親会社とインド以外で設立した関連会社とともに保有して実質的な100%子会社を作ることが多いです。

■駐在員事務所

駐在員事務所を設立するためには、インド準備銀行(RBI)の許可が必要であり、本国で直近3年間利益を上げていることなどの条件があります。営業や商業活動が禁止されているため、活動運営資金は本社から送金することになります。輸出入業務のサポートや連絡窓口などのためにまず駐在員事務所を設立することもあります。免許は原則3年更新で、報酬の有無にかかわらずコンサルティング業務はできず、原則親会社のための契約を結ぶこともできない点に注意が必要です。

■支店

支店の設立にもRBIの許可や本国で5年間の利益を上げていること等の条件があります。本社のかわりに貿易やサービス提供を行う目的の設立のため、製造活動は一切認められていません事務所として利用する目的の場合、賃借期間が5年を超える場合はRBIの事前承認が必要になります。また、外国法人扱いとなるため、法人税が高くなります(外国会社法人税40%×加算税2%×教育目的税3%=42.024%)。

現地法人の設立の流れは、下記のとおりです。

①DIN(取締役識別番号)の取得

DINは取締役になるために必要な識別番号で、取得のためには身分証明書等が必要です。企業省(Ministry of Company Affairs)にオンラインで申請書と認証された関連書類を提出します。

②DSC(電子署名証明)の取得

DSCはオンライン書類提出のために必要な証明で、法人設立後も利用します。

③法人商号の承認

進出地域(州)の企業登録局(Registrar of Companies)に申請します。少なくとも3,4種類の代案を準備し、できるだけ企業活動や目的を示し、登録済の他社名や証憑等と酷似しないようにする必要があります。「India」など商号に一定の文言を使う場合、最低資本額(Authorized Capital)が変更になり登記費用も変わります。

④CoI(会社設立証明書)の取得

必要書類(基本定款、付属定款、管理職や取締役個人との業務契約書、各種登録料手数料支払証明書等)を進出地域(州)の企業登録局に提出(商号承認から6カ月以内に申請)します。

基本定款には会社の商号や事業目的等基本的事項を記載し、非公開会社の場合は最低2人(公開会社の場合は最低7人)の株主が署名します。附属定款には、会社の運営や株主間の関係に関して記載します。手続は申請後約2か月以上かかることが多いです。

ちなみに、インド会社法では、株主総会議決権は株式数ではなく頭数が原則です。また、特別決議は出席株主の4分の3以上の賛成が必要であり、これも頭数ベースで決議されるのが原則であるため、附属定款に株式数をベースに決議を行う旨を記載することを検討しましょう。なお、外国人投資家による買収や株式持分の移転を行う場合は、外国為替管理法下の規則に従う必要があり取得・譲渡ともに売却価格についてSEBI(インド証券取引委員会)の価格決定ルールに従う必要があります。規則に従って算出された公正な評価額より安い価格で売却することはできないため注意しましょう。また、附属定款の基本フォーマットでは、取締役会の議案決議で賛否同数の場合は議長が決定権を有するとされているため、合弁会社では定足数充足の要件などの変更を検討しましょう。

⑤会社設立証明、事業開始証明の取得

会社登記局は書類を確認して審査を行い、会社設立証明を発行します。非公開会社は取得後に事業を開始できますが、公開会社はさらに事業開始証明を取得します。設立証明書を発行した後に株主が資本金を払い込み、新設会社は一定期間内に申込金を受領したことをRBIに通知し、RBIが会社に登録番号を発行することになります。

その他、初回取締役会の開催、銀行口座開設、税務関連番号の取得を実施します。税務関連番号には、PAN(税務番号)、TAN(源泉番号)、TIN(Tax Identification Number)等があります。サービス税や物品税、輸出入コードなどは法人の事業内容により税種類が変わるため、必要な番号を確認のうえ取得することになります。

今回はインドでの会社設立について簡単に説明しました。インドでは、インフラ関連や特定規模以上の病院等特定の業界に対して法人税減免措置があるものの、外資への優遇措置はとくにありません(産業促進、雇用促進目的での進出に際して、SEZ(経済特区)入居企業に対する法人税等の減免措置はあります)。不動産業等外国資本の参入が禁止されていたり、禁止されてはいないが出資上限規制がある業種も少なくないため、個別に確認する必要があります。当事務所では、海外進出のご相談も承っておりますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

 

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