事業に専念するための事務作業効率化の簡単なコツ
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最終更新日:2015/09/18
合同会社運営の知識
起業して間もない時期は手間のかかる事務手続を自分でしなければならないことが多く、一時的に事業に専念できない状態に陥る場合も少なくありません。今回は、事業を開始するにあたって時間と労力を効率的に使う簡単なコツをいくつかお伝えします。
①源泉所得税は年2回払いにする
事業主は、従業員の給料を毎月支払う際に、源泉所得税を給料から差し引いて預かります。預かった源泉所得税は、預かった月の翌月10日までに最寄りの金融機関で納める必要があります。1日でも遅れると原則不納付加算税・延滞税がかかるのですが、ついうっかり忘れてしまうことがあります。
毎月の銀行での納付の手間と罰金のリスクを抑えるために、源泉所得税の納付を年2回にまとめる「納期の特例」制度を利用しましょう。納期の特例を受けると、原則1月~6月分を7月10日に、7月~12月分を1月20日に支払うことになります。納期の特例は、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書という簡単な書類を税務署に提出するだけで可能で、手数料は特にかかりません。
ただし、以下の点に注意してください。
・適用対象事業所は、常時雇用人数が10人未満の事業所です。
・年の途中で提出した場合は、提出した翌々月の納付分から適用になります。
・納期の特例を利用したうえで、納付期限に遅れて納付した場合は、不納付加算税と延滞税がかかります。さらに、納期特例が取消になる可能性があります。
・税理士や司法書士等の報酬にかかる源泉所得税は納期特例の対象ですが、デザイン料や原稿料等にかかる源泉所得税は対象外になります。
②納税は自動振替、ダイレクト納付、もしくは、電子納税を利用する
個人の所得税・消費税等は、事前に口座振替依頼書を税務署に提出しておくことで口座振替による納税が可能です。口座振替にすることで、納税忘れを防止することができ、また、振替納税日も納付期限よりも1か月近く後になるため、おすすめです。ただし、振替納税制度は、申告期限までに申告書が提出された場合に限り有効で、残高不足で口座振替できなかった場合には延滞税がかかるため、注意しましょう。なお、一度手続きをすると次回以降も自動的に振替納税できますが、納税地や口座を変更する場合には変更手続が必要になります。
一方、法人税や法人の消費税等は口座振替ができませんが、ダイレクト納付や電子納税が可能です。ダイレクト納付は、事前に税務署にダイレクト納付利用届出書を提出し、e-TAXを利用して電子申告をした後に、即時または指定日に預金口座からの振替で納税できる方法です。また、電子納税は、e-TAXソフトを使用して納付情報データを作成し、e-TAXに登録することで、電子納税を行う方法です。ダイレクト納付や電子納税により、銀行に行く手間を省くことができます。また、ダイレクト納付では、インターネットバンキング契約をしていなくても預金から直接振替が可能です。
③従業員の給与振込口座は事業用口座と同じ支店で開設する
毎月の従業員の給料の計算や支払は手間のかかる作業ですが、雇用開始のタイミングで従業員の普通預金口座を取引先の銀行に作ることを義務づけることで以下のメリットが得られます。
・金融機関からの信頼度向上
・インターネットバンキング利用により同一行の場合振込手数料無料・当日振込可能
④経費の支払は自動振替支払制度を利用する
定期的に発生する支払を都度手続することは支払忘れや振込手間を考えると非効率のため、以下のように自動振替を利用しましょう。
・水道・電気等公共料金や新聞・事務用品代・税理士顧問料等 → 支払先の手数料負担で普通預金から自動引き落とし
・家賃等毎月同じ日に定額の金額を支払う場合 → こちらの手数料負担で自動振替手続き
・仕入れ先への支払
→ 金融機関に取引先の名称・振込先金融機関・支店名・口座番号を事前に登録すると、取引先の登録した情報が印字された専用用紙が毎月送られてくるため、その専用用紙に支払金額を記入して窓口で手続きする総合振込サービスを利用する。また、振込の控えを領収書にかえることを取引開始時に合意しておく。
⑤クラウド会計を利用する
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