年金受給者の確定申告

公開日: : 税金

公的年金にも、原則、所得税・住民税がかかります(障害年金・遺族年金は非課税)。今回は、年金受給者の確定申告について簡単にご説明します。過去5年以内であれば還付申告が可能ですので、年金受給者で確定申告していない方は還付の可能性がないか確認しましょう。

公的年金等(国民年金や厚生年金、共済組合から支給を受ける老齢年金、確定給付起業年金契約に基づいて支給を受ける年金等)は雑所得として税金がかかりますが、以下の要件をすべて満たす場合には、公的年金等に係る「確定申告不要制度」を利用して所得税の確定申告を省略することができます。

①公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象である

②公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(個人年金や給与所得等)が20万円以下である

確定申告不要制度により多くの方が確定申告を免除されますが、公的年金等には年末調整がないため、たとえば以下のような所得控除等を適用できる場合には、確定申告をする方がお得になる(納めすぎた税金が還ってくる)可能性があります。

・生命保険料、個人年金保険料、地震保険料等の支払いがある場合

・年金控除以外の社会保険料(国民健康保険料、介護保険料等)の支払いがある場合

・住宅ローンでマイホームを取得した場合

・1年間に10万円超の医療費を支払った場合(医療費控除の記事はこちら

・ふるさと納税等により寄附金控除を受ける場合

・災害、盗難、横領により住宅等に損害を受けた場合

・扶養親族等申告書に記載漏れや誤りがあった場合や、年の途中で扶養親族が増えた場合

公的年金の税金の計算の仕方についても簡単にご説明しておきます。 公的年金等に係る雑所得の金額は、下記の表(Per:国税庁HP)により算出します。

公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)

公的年金等に係る雑所得の速算表(平成17年分以後)
年金を受け取る人の年齢 (a)公的年金等の収入金額の合計額 (b)割合 (c)控除額
65歳未満 (公的年金等の収入金額合計700,000円までの場合所得金額はゼロ)
700,001円から1,299,999円まで 100% 700,000円
1,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円
65歳以上 (公的年金等の収入金額合計額1,200,000円までの場合所得金額はゼロ)
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円

例えば65歳以上の人で「公的年金等の収入金額の合計額」が300万円の場合には、公的年金等に係る雑所得の金額は次のようになります。

  3,000,000円×100%-1,200,000円=1,800,000円

これ以外に所得がない場合には、所得控除を調整後、税率が掛けられ、税額控除(住宅ローン控除等)を差し引いて税額が算出されます。すでにご説明したとおり、年金受給者が医療費控除や生命保険料控除等の一部の所得控除や住宅ローン控除等の税額控除を受けるためには確定申告が必要になります。

また、最近では年金受給者の起業家も少なくありませんが、事業所得が赤字の場合損益通算することができます。公的年金等の支払を受けるときは、原則収入金額からその年金に応じて定められている一定の控除額を差し引いた額に5.105%を乗じた金額が源泉徴収されているため、損益通算により還付税が発生する可能性もあります。

今回は、公的年金の確定申告について簡単にご説明しました。本来還付を受けられるはずが確定申告不要制度を利用した結果税金を多く支払いっぱなしのケースも少なくありません。還付手続は5年間遡及することができますので、お気軽にご相談ください。

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