現物出資で会社を設立する

公開日: : 合同会社運営の知識

会社を設立するには資本金が必要になりますが、起業時に多額のお金を用意することは簡単ではありません。現在は会社法上は1円の資本金でも会社設立可能ですが、銀行の融資審査や取引先の信用を考えると、ある程度の資本金があるに越したことはありませんよね。そこで、出資者の状況によりおすすめするのが現物出資による会社設立です。

現物出資とは出資者の所有物(車、パソコン、不動産等)を出資して資本金にすることを言い、貸しているお金などの債権も出資することができます。また、株式会社のみならず、合同会社の設立時でも現物出資は可能で、現物出資の総額が500万円以下であれば、取締役の自己責任で、現物出資を行う事ができます。一番多いのは車やパソコンですが、個人事業者が数年後に法人成りする場合には、売掛金なども現物出資することができます。

現物出資をする場合には、通常の手続きのほかに、以下の手続きが必要になります。
① 定款に、現物出資する財産・その価額・出資者・発行株式数を記載する。
② 登記申請の際に、調査報告書、財産引継書、資本金の額の計上に関する証明書を追加で添付する。

では、現物出資のメリットとデメリットを確認しましょう。

現物出資のメリット
① 信用力向上
現物出資により資本金を大きくすることで財務安全性が高まり、金融機関の信用格付が高くなり、融資額や融資を受けられる可能性が高くなります。また、新規得意先の開拓や、仕入先から与信をとる際にも有利に働きます。創業の場合は取引実績がないため、資本金が大きいほうが取引先を安心させることができます。

 節税対策
現物出資財産が車やパソコン等の減価償却資産であれば、事業のように供した時から減価償却費を計上できるため、経費を増やすことができ、節税に役立ちます。

現物出資のデメリット
① 税金がかかる
不動産を現物出資した場合には、会社による新たな財産の取得とみなされますので、不動産取得税や登録免許税が賦課されます。車についても、車種や年式によって自動車税や自動車取得税が法人にかかってきます。また、現物出資を行った個人に対しては譲渡所得税がかかる場合があります。譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいい、譲渡所得の対象となる資産としては、土地、建物、機械器具、ゴルフ会員権、特許権、著作権、特定の有価証券等があります。なお、貸付金や売掛金はなどの金銭債権は対象とはなりません。

③ 出資者や取締役の責任
現物出資した財産の価額が、定款記載の価額に著しく不足する場合には、出資者や取締役は、その職務を行うことについて注意を怠らなかったことを証明できない限りは、その差額を補填する義務が生じます。たとえば、10万円しか価値のない財産を100万円と過大に評価して現物出資した場合には、その差額の90万円を出資者と取締役は、連帯して会社に支払う義務が生じます。

最後に、現物出資をする際の注意点を確認しておきましょう。

■自動車の場合は、設立後に個人から会社への名義書換や保険の変更手続が必要となり、保険料が高くなる可能性があるため、事前に保険会社に確認しましょう。

ローンを完済していない場合は、通常支払終わるまではローン会社の所有物となっているため、出資することができません。

■不動産の場合も、設立後に個人から会社への名義書換が必要となり、担保がついた不動産の場合は検討事項があるため専門家に相談しましょう。

■現物出資のメリットである節税効果を享受するため、耐用年数の残っている現物資産を出資しましょう。

現物出資にはメリット・デメリットがあり個々の状況により発生する税金や節税効果が異なりますので、専門家に相談のうえ実施することをおすすめします。弊所では現物出資による会社設立もお手伝いさせていただきます。ご興味のある方は、お気軽にご相談くださいね。

 

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小西公認会計士事務所
公認会計士・税理士 小西慎太郎
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