出張旅費規程で節税しましょう
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最終更新日:2015/09/18
節税
会社を立ち上げて間もない時期は、社員も少なく、規程を作成していない会社も多いかと思います。今回は、たとえ1人会社の場合でも作成したほうが節税になる旅費規程について、簡単にご説明します。
旅費規程とは、役員や従業員が営業やセミナー研修などで出張した場合に、出張旅費を会社でどのように取り扱うかを定めた規程です。
旅費規程を作成するメリットは、
①出張手当(日当)が支給できる
出張手当とは、旅費、宿泊費以外の出張中の雑費支払いにあてる手当をいいます。旅費規程を作成すると、出張先での食費等は普段必要のない費用であるため、その費用を会社が負担するために出張手当を支給することができます。出張手当は、会社では旅費交通費等として経費になります。一方、役員・従業員にとっては、通常の給与と異なり非課税所得となり税金がかかりません。
②宿泊費・旅費を実費精算しなくてもよい
出張旅費は旅費規程のとおり支払うことができるため、実費である必要がありません。ある程度の人数が出張する機会がある場合には、経費削減の観点から実費精算と規程することもできますが、1人会社等の場合には旅費規程で定めておけば、実費と差額が発生しても非課税所得のままになり節税できます。
③所得税・住民税・社会保険料の計算対象外
出張旅費や日当は給与として扱われないため、所得税・住民税・社会保険料の計算対象外になります。
④消費税の課税仕入の対象となる
給与は消費税の仕入税額控除の対象とはならない一方、出張旅費や日当は対象となるため、納める消費税が少なくなります。
上記のメリットに対して、規程を作成し、運用する手間がかかる点や、出張する人数が多い場合には会社の経費がかさむ可能性がある点がデメリットとして挙げられます。しかし、起業して間もない時期は従業員が少ない場合が多いため、会社と個人双方の節税になることを説明したうえで、うまく出張旅費を利用するのも1つの方法といえます。また、社長の出張がほとんどで、頻繁に出張する場合はかなりの節税になります。
さて、それではどのような点に注意して旅費規程を作成すればよいのでしょうか。あまりにも高額な旅費等は税務調査で指摘されますので、以下のポイントを抑えて作成しましょう。
旅費規程作成のポイント
①対象は、社長や一部の役員だけではなく、全社員とする
②宿泊費や日当の金額設定は、常識範囲内・同業種同規模の会社の相場で決定する
③宿泊費や日当の金額設定は、役職ごとの基準を設ける
例: 日当 役員5,000円 管理職3,000円 社員2,000円
旅費規程のサンプルは検索すると簡単に入手できますので、参考にしながら、各会社の規模や特色に合わせた規程を作成しましょう。最終的には、顧問税理士や信頼できる税理士に確認を依頼すると安心かと思います。また、税務調査対策の基本ですが、旅費精算時の証憑は必ず残しておきましょう。
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公認会計士・税理士 小西慎太郎
福岡県福岡市中央区荒戸1丁目1番3号大濠JOYビル4階
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