消費税も節税できます

公開日: : 最終更新日:2015/09/18 節税

日本で生活していると「自動的に」かかってくる消費税、現在は8%ですが、2017年4月には10%に上がります。今回は、開業のタイミングで検討すべき消費税の節税をご紹介します。

まず、消費税の仕組みを簡単に説明しましょう。消費税は、事業者がお客さんの支払った消費税を預かり、仕入時に支払った消費税を差し引いた金額を納税しています。たとえば、100円のモノを売って8円の消費税を預かり、50円で仕入れたので4円の消費税を差し引いて、8円-4円=4円を納税しています。今回は、この事業者の納税額に関する節税方法をご紹介します。

①免税期間を利用する

消費税は、ざっくり言うと、年間売上が1,000万円超の事業者が支払わなければならない税金です。そして、基準とする売上は、原則、前々年の課税売上高になります(ただし、前年の前半6か月間の課税売上高が1,000万円を超えた場合は消費税がかかります)。設立して間もない事業者は、前々年の売上がわからないため、開業後2年間は原則消費税が免除されます。ただし、資本金1,000万円以上の会社は初めから消費税を払わなければなりませんので注意しましょう。

この免税期間は、同じ事業でも法人と個人では別にカウントされます。つまり、はじめからある程度の売上が見込める場合には、はじめは個人事業者で行い、2年後に資本金1,000万円未満の法人をつくると、4年間消費税を免除されることになります。ただし、法人にはさまざまな節税特典があるため、はじめから法人にしたほうがよいか総合的な検討が必要です。

②免除期間をあえて利用しない

上記のとおり、事業開始から2年間は原則免税期間になっていますが、場合によっては、あえて免税期間を利用せずに開業してすぐに消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者となる方がお得なことがあります。 消費税は売上の消費税ー仕入・経費の消費税の残った分を納付しますが、その計算が赤字になれば還付されるのです。消費税は固定資産を購入したときにもかかるため、開業時にある程度の初期投資(内装・備品購入等)が必要な場合、事業者は多額の消費税を支払っています。一方、事業開始時には売上があまり発生しないことも多いです。たとえば、初期投資に800万円かかり、売上は400万円、仕入は200万円とすると、預かり消費税32万円ー支払消費税80万円=48万円も消費税が還付されることになります。ただし課税事業者を選択すると2年間継続適用が必要であるため、第2期の事業計画をもとに消費税の支払・還付予測をたてたうえで判断することが大切です。なお、消費税の課税事業者の届出は、課税事業者になりたい課税期間の初日の前日までに必要ですが、新規開業の場合は開業した課税期間の末日までの提出で適用可能です。

③簡易課税制度を利用する

免税期間が終わった後の節税方法としては、簡易課税の選択があります。消費税の計算を正確にすると非常に手間がかかるため、年間売上が5,000万円以下の事業者には、簡易課税という計算方法が認められています。簡易課税を選択すると、支払った消費税の計算を「みなし仕入れ率」を使って簡単に計算することができます。みなし仕入れ率は業種によって以下のとおり定められています(平成27年4月から適用・経過措置あり)。

卸売業            90%

小売業            80%

製造、建設業など       70%

飲食店など          60%

サービス業・金融・保険業 50%

不動産業         40%

たとえば、売上1,000万円のホームページ作成事業者の場合、簡易課税を使うと、サービス業者のみなし仕入れ率は50%のため、1,000万円の50%である500万円が仕入と自動的に決められます。したがって、預かり消費税80万円-支払消費税40万円=40万円を納付すればよいということになります。ホームページ事業者の消費税がかかる仕入や経費は少ない場合が多く、ほとんどが消費税のかからない人件費の場合は、簡易課税を利用したほうがお得になります。つまり、簡易課税を選択しないと、実際かかった仕入・経費が800万円でそのうち500万円が人件費の場合、本来であれば支払消費税は300万円×8%=24万円になり、80万円-24万円=56万円納付しなければならないことになります。

ただし、簡易課税が有利かどうかは事業者によって異なるため、事前に税理士等に相談しましょう。なお、「消費税簡易課税選択届出書」は適用を受けたい期間の初日の前日までに提出が必要で、事業開始日の属する課税期間の場合はその課税期間中に提出が必要になります。また、簡易課税も2年間の継続適用が必要となり、簡易課税を選択した場合には赤字になっても概算のため還付は受けられませんので注意しましょう。

以上、今回は、開業のタイミングで検討すべき消費税の節税についてご説明しました。弊所でも消費税の節税のご相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談くださいね。なお、実際の消費税の計算はもう少し複雑ですが、今回は説明のため、計算イメージとして上記の計算を載せています点ご了承ください。

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